番外編

更新日:2013年2月20日


この番外編では、ざっくばらんに、色んな項目について書いてみたいと思います。
話題には出したけれど、各編では詳細に書けなかったこと、気になることを書いてみたいと思います。



《ハイレゾ音源》

各編の中で、時々ハイレゾ音源という単語を見かけたと思います。

これについて書いてみましょう。

もともと、ピュア・オーディオの世界では、SACDというものがありました。
通常のCDとは違い、名前のSuper Audio CDという名の通り、普通のCDの音質を超えたCDです。

これを再生するには、それ専用のプレーヤーが必要です。
それが出始めた頃はとても高価で、そういう高音質な媒体で音楽を聴きたい!と思っても、簡単に手が出るものではありませんでした。
最近は、普通のコンポでもSACDを再生することが出来ます。

これが、ハイレゾ音源、High Resolution Musicの始まりでした。

それが今では、PCでその音源を再生することが出来ます。
数値的なことで言えば、96kHz/24bitや192kHz/24bitがそれです。
普通のCDは、44.1kHz/16bitです。

その更に上があり、記録フォーマットが違っているのですが、それはDSDと言うようです。参考
ここでは、これに関しての詳細は割愛。

どちらであってもハイレゾ音源。
帯域が広いだけに、音が繊細になり、より音の「空気感」「密度」がよくなっています。

これは一度体験すれば、普通のCDとは違うなぁ、と思って頂けることでしょう。

このハイレゾ音源、PCであれば結構簡単に再生可能なのです。
但し、それを再生するには、サウンドデバイスがそれに対応している必要性があります。

初級編で、Windowsのコントロールパネルのサウンドの詳細で、設定を変更しました。
そこに、「既定の形式」にその周波数の変更が出来るプルダウンの項目があります。


その中に、上記の96kHz/24bitや192kHz/24bitがあれば、その音源をその状態で再生することが出来ます。
(上記の画像ではそれがありませんので、対応しておりません。もちろん、44.1kHz/16bitの設定でも再生出来ますが、ハイレゾの状態では再生出来ません。)

入っている方、ラッキーですね!

早速それを試してみましょう!

DSDを再生するのはちょっと面倒なので、96kHz/24bitや192kHz/24bitでまずは試してみるといいと思います。

こちらのサイトから、その音源をダウンロード出来ます。

ダウンロードを終了したら、AIMP3を起動してみましょう。

このソフトを紹介したのは、実はこのハイレゾ音源を聴くにはかなり便利に作られているからなのです。

AIMP3のレンチマークをクリックし、画面左側の「再生」をクリック。


この画面の右側で、その周波数やbitを変更出来ます。
192kHzのものをダウンロードしたら、192000Hzにし、24bitを選んで、適用ボタンを押してみましょう。
(24bitがなければ、32bitを選択。)

すると、その音で再生されます。

試しに、普通のCDの44100Hz、16bitに変更して違いを聴き比べて下さい。
明らかに繊細さが違うと思います。

いかに普通のCDは周波数、音の密度が削られているかがわかると思います。
こういうのはポップスやロックよりも、クラシックの方がより明確にわかると思います。

ハイレゾ音源に興味を持って買ってみようと思ったら、e-onkyo musicで購入可能です。
海外にもあるのですが、日本向けには売ることが出来ないところもあるようです。

こういうのを聴き始めると、やはりいいスピーカー、アンプが欲しくなります!

そして、益々、物理的なCDが不要になってしまうのがわかってきます。
所有欲を考えれば、やはりCDなのですが...



《ASIO》

初級編で、WASAPIというものを紹介し、その設定で音楽を聴きました。

簡単に書くと、WASAPIは、普通であればOSの中で色んな所を経由してから音を出すところを、ほとんどの部分をすっ飛ばし、出来るだけ余計なところを経由しないで音を出す仕組みです。
ですので、音質が向上、というより、本来の音に近い音が聴ける、ということです。

このWASAPIよりもっと前に、ASIOという規格がありました。
もちろん、今でもとても活用されている規格です。

これもWASAPI同様、余計なところを経由しないで音を出してくれます。

WASAPIはOSに依存しているので、ほとんどのサウンドデバイスで対応可能です。
しかし、ASIOは、そのサウンドデバイスがそれに対応していないと再生出来ません。

僕の事例で言えば、UA-30はASIOに対応していないので、ASIO経由で音出しは出来ません。
が、Sound Blaster X-Fi Xtreme Musicの方は、ASIOに対応しているようで、それ経由で音を出すことが出来ます。

もし、お持ちのサウンドデバイスがASIOに対応していたら、AIMP3の「再生」メニューの右側の画面の「デバイス」の中にそれがあると思います。
それを選んで適用を押すと、ASIO経由で音楽を再生させることが出来ます。

聴いてみればわかりますが、よりクリアーに音が聴こえることでしょう。
WASAPI同様、余計なところを経由しないで音が出ているので、そう聴こえます。

ただ、これはWASAPI同様、排他モードで動作するので、ASIO経由で音を鳴らしていると、Windowsの他のものからは一切音は出せません。

本当に音は違うの?と思われるようであれば、ASIO、WASAPI、そして、Windows標準のDS(Direct Sound)に切り替えて、音を鳴らして比較してみるといいでしょう。AIMP3はこれが簡単にできるから便利です。
ASIOとWASAPIの違いはわかりづらいかもしれませんが、DSとの違いは明らかだと思います。



《DACで遊ぶ》

中級編ではDACを紹介しました。

これを紹介した、勧める理由はもう一つあるのです。

それは、これで「遊べる」かもしれないからです。

このDACのオペアンプ(小さなチップ)を交換すれば、音質が変わるとのこと!

機種によっては、簡単に交換出来るようなので、それならやってみたいと思いませんか?

しかも、そのオペアンプ、数百円からあるそうです。
その数百円の物でも、劇的(?)に音質が変わるという・・・

そんな話を知っては、益々涎が、いや、耳だれ(?)が出て来そうです。(苦笑)

気になる製品で紹介している、とある機種はかなり簡単にオペアンプが交換出来るので、余計に興味をそそられました。後述。

その「機種名 オペアンプ交換」で検索すれば、どういうオペアンプだとどういう音になるかの情報が得られます。

こういう遊び方があるなんて、益々PCオーディオにはまりますよね。



《気になる製品》

今回、色々と調べていて気になる製品が一杯出て来ました!(笑)

それをここで紹介してみたいと思います。
皆さんの製品選びの一つのヒントになれば幸いです。

まずは、スピーカーから。

1万円前後で見ていて、一番惹かれたのがこれ。
Fostex PM0.3 G
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モニタースピーカー大好き人間としては、ちょっと、いや、かなり気になる存在。
しかも値段も安いし、比較的お気軽に試せそう。

実家のPC用スピーカーとして買おうかと思っているところ。


この2つは定番中の定番。
ONKYO WAVIO GX-70HD
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ONKYO WAVIO GX-D90
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ロングセラーなので、安心して購入出来るでしょう。


以下は、ネットで検索していて、面白そう、と思った物を。
どれも音に関しては評判の物。
もちろん、好みはあるでしょうが。

KRIPTON KS-1HQM
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Boseのスピーカーを使っていた人達が結構流れているようです。
Boseに比べれば低音部はちょっと鳴り方が大人しくなるようですが、全体的にBoseよりもいいようです。
値段は結構しますが、これも気になる存在。


Victor SX-WD30
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1ウェイで見た目はシンプルだけれど、かわいらしい。
ヴォーカルものだったらいい選択肢かもしれませんね。


KENWOOD LS-K731-M
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やはり見た目も重要。
この木目調が格好いい!
KENWOODなので、安心感もあります。


B&W(Bowers&Wilkins) 685(MR)
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一度はB&Wのスピーカーで好きな音楽を聴いてみたい...
B&Wは憧れです。


JBL STUDIO 530CH
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ものすごく変わった形。
これだけでも興味が惹かれます。(笑)


audio pro AVANTO S-20
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あまり情報はなかったのですが、クラシック系には良さそうですね。


ということで、やはりスピーカーはそれぞれに個性があるようなので、どれも試してみたい!と思いました。(笑)


次は、デスクトップ用のサウンドカード。

これには本当に憧れました。
SE-200PCI LTD
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どれだけこれがほしかったか!

僕が知った当時は、もっと高い値段だったので、導入には踏み切れませんでした。
が、今は後継機が出て、在庫限りだとは思いますが、随分安くなりました。
後継機とはチップが違っているようなので、ONKYOの音を楽しみたい方は、これを買い!だと思います。

後継機は、SE-300PCIEで、Sound Blasterのチップを使っているとのことです。
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今となっては、DACやDDCを知ったので、それほどこれらカードが欲しい、という感じではありません。(笑)


次に、DAC。

最初の頃は、これに惹かれていました。

Audinst HUD-mx1
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見た目はいいんだけれど、これは96kHz止まり。
更によく見てみると、出力は光のみ。
そんなにしょっちゅうハイレゾ音源を聴く訳でもないし、まだハイレゾ音源そのものを(今は)買う予定はないので、それでもいいのですが、気持ちの問題ですね。(苦笑)
あと、書き込みを見ると、RCA外部出力はそれほど音は良くなさそうです。


「DACで遊ぶ」で書きました。
これが、その「遊べる」製品!オペアンプを手軽に交換出来る機種。

AUDIOTRAK PRODIGY CUBE
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たった数百円で音が変わるなんて、誰だって試してみたいと思いませんか?

今、切実に悩んでいるのが、これにしようか、DDCにしようか・・・

この機種が、192kHzまで対応していたら、迷わずこれなんですけれどねぇ。
これ一つでDAC、DDCもまかなえるのですから。
192kHz対応の後継機、出ないかしら?


他にも、中華製のDACには面白い物が色々とありました。

このMUSILAND Monitor 02 US Dragonもそうです。
DACとDDC両方兼ねられます。

また、DACだけであれば、数千円で購入出来るものもありました。
当たり外れはあるでしょうが、そういうもので「遊んで」みるのもいいかもしれませんね。


その他として、ポータブルプレーヤの紹介。

192kHz/24bitにも対応しているというこれ。

iriver Astell&Kern AK100
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色々と問題もあるようですが、なにより、ポータブルプレーヤで192kHz/24bitを再生出来る機種は少ないので、貴重な存在。

これの魅力はなんと言っても、カードスロットが2つあるところ。
32GBを入れれば、内蔵も合わせて100GB近くの音楽を保存出来ます!
これは大きなメリット。
(どうやら64GBまで対応しているようなので、150G超のファイルを格納出来そうです。)

メモリーカードは安いし、音楽を聴くだけなので、そんなに高性能なカードは不要。
コストパフォーマンスを考えると、かなりいい選択肢。

また、光の入出力があるので、もし、PCのサウンドデバイスに光出力があるなら、これに接続して、コンポのアンプ(やCD、MDプレーヤ等)の光入力に繋ぐというやり方もありだと思います。
つまり、これにDDCの役割をさせるのです。
そうすれば、DDC購入分が浮きます。

と、こういう感じで色んな製品を知ってしまい、妄想の中であれやこれやと楽しんでいるところです。(笑)



《ライブラリとして登録》

Windows Media Playerであれ、foobar2000であれ、AIMP3であれ、MusicBeeであれ、これを使用する時に、是非、保存しているファイルをライブラリ登録して下さい。
そのファイルにタグ情報がきちんと埋め込まれていれば、音楽を選択する時はかなり楽です。
(それぞれのソフトのライブラリ登録の方法はネットで検索してみて下さい。)

アーティスト別、アルバム別だけではなく、ジャンル別、年代別、という感じで、色々なくくりから聴きたい音楽を探し出すことが出来ます。

また、ライブラリ登録をしておくと、DLNAサーバ/クライアント機能を使う時に重宝します。

先述しましたが、それぞれのソフトのライブラリ管理機能を使って、クライアント側からそれを使うことが出来ます。

また、そのファイルがどこに置いているかを気にしないで選べますので、ファイルサーバでファイルそのものを管理するよりも随分楽にその音楽を探し出すことが出来ます。

既に登録しているものについては、作業が大変になるので、各人のお任せになりますが、今後CDからリッピングする時の注意点を。

特にWindowsを使っている人がそうなのですが、標準で取り込んだ場合、タグ情報はShift-JISという文字コードで記録されます。
これだと、海外製の音楽再生ソフトに取り込んだ時、文字化けする可能性が大です。

出来れば、取り込み時にUTF-8かUTF-16で取り込んでくれるものを使うといいでしょう。
もしくは、タグ編集ソフトでそれ対応の物を使用するか。

どのソフトがいいかは、ちょっとここでは言えません。
万が一のことがあって、そのファイルのタグ情報をムチャクチャにしては申し訳ないので。

とりあえず、考え方だけはここで提示しておきたいと思います。



《再生ソフトのスキン》

音楽再生ソフトのほとんどではスキンが変更出来ます。

AIMP3であれば、ここから選べます。
公式
こういうところでも

今、僕が気に入っているのはこれ。


ただ、ライブラリー画面対応のスキンはなさそうです。
そちらを常用したいと思ったのですが...

MusicBeeでは、シアターモードというのがあって、そういうものを使えば違った雰囲気で使えます。


foobar2000は、スキンというより、コンポーネントを入れることにより、見せ方を変えられます。
僕のようにこういうiTunes風にすることも出来ますし(iTunesより更に便利)、もっと違った見せ方も可能。



スキンを変えれば気分も変わります。
時にはこうやって遊んでみるのもいいでしょう。



《MPD》

MPDとは、Music Player Daemonの略。

その名前の通り、音楽を再生するソフトです。

VortexBoxでDLNA機能を紹介しました。
クライアント側からサーバの再生機能をコントロールして音を出しているのが、このMPD(という認識でいます。間違っていたらご免なさい)。

VortexBoxはあくまでサーバ機能を持ったOS。
その中に、再生する機能MPDもある、と考えた方がいいでしょう。

VortexBoxは、なんだかんだとそれなりの容量を食います(それでも数GBなので、今のご時世、多くはないです)。
また、大きい(色んな機能がある)ということは、その間に色んなモジュールも絡んでいます。

それも音質に影響する!ということで、更に音質を追求したものがあります。

Voyage MPD

ここでは詳細は書きませんが、これもLinux OSであるDebianをベースとしており、音楽再生に特化させ、それ用にチューニングしたOS。

よって、とても軽く、かなり小さなPCでもインストール可能。
(小さな、というのは、物理的な意味だけではなく、低スペック、低容量でもOKという意味。)
それ用のキットも売られているようです。

普通にインストールするにはかなり敷居が高く、そのやり方を見ただけで、クラクラ・・・としました。(苦笑)
気合い入れれば出来なくはないのですが、面倒くさいな、と思ってしまいました...

このVoyage MPDは、あくまで再生に絞ったものなので、ライブラリ管理機能はありません。
よって、Voyage MPDだけの導入では不足で、別途ライブラリ管理機能を持ったサーバを用意しないといけないのです。

Voyage MPDとライブラリを管理するファイルサーバを用意すれば、DLNAサーバとして機能します。
それでようやく、DLNAクライアントからコントロールすることが可能となるのです。

Renderer Server、Media Server両方が用意されているので、導入のしやすさを考えれば、VortexBox。
更に音質を突き詰めていきたい人は、Voyage MPDというところでしょうか?



《NAS》

上記のVoyage MPDを導入するのであれば、別途Media Serverが必要です。

普通のPCをそれに仕立てるという手もありますが、コストや設置場所の問題があると思います。

そういう時は、別途ファイルサーバ機能のあるNAS(Network Attached Storage)を導入するといいでしょう。
今はかなり手ごろな価格で手に入れられますしね。

音楽再生のためだけではなく、ご自身のPCのデータのバックアップ先としても使えますし、もちろん、家族皆でファイルを共有する、ということも可能です。

今時のNASは、外付けHDD1個分くらいのサイズでとても小さいものもあります。
ルータの近くに置いて接続しておけばいいでしょう。
有線でも無線でも出来ると思います(値段は違うでしょうが)。

もちろん、VortexBoxを導入する時にもこのやり方がいいかもしれません。

VortexBoxを無音、省電力、省スペース化するために、無音→SSDやファンレス、省電力→省電力で動くCPU、省スペース→小さなケースでファンレス、ということが出来ます。
その時、そのPCには音楽ファイルは置かず、NAS上に置いておき、VortexBoxからそれを参照するように設定すればいいのです。

そうすれば、PC内部でのノイズの問題やら騒音の問題も軽減出来るでしょう。

色んな意味でNASがあると便利なので、1つ導入してみてはいかが?


以上、PCオーディオに関してはこういう感じです。

面白かったのが、これを意識し始めてから、このPCオーディオに関する情報が色々と集まりました。
本当に今旬な話題なんだなぁ、と思いました。
日本に帰った時に出来れば、色んなものを導入してみたいと思っています。
それに関することもここに書いてみたいな、と思っているので、その時をお楽しみに!