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更新日:2013年7月19日《PCオーディオの「タブー」に挑む!》
これから少しずつ、このページを更新していきます。
《導入検討》
ようやく、とある環境になったので、DACの導入を検討してみました。
DACだけではなく、PCスピーカーも新しいのにしてみようかな、なんて思ったので、とある場所で少し試聴。
一番気になっていた「Fostex PM0.3 G」。
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掛かっていた音楽があまり良くなかったのか?正直、僕的にはそんなにいい音とは思えなかったのです。
何曲かその場で聴いたけれど、うーん、という感じでした。
それよりも、「ONKYO WAVIO GX-70HD」の方が好感が持てる音でした。
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デジタル入力のことも考えるなら、「ONKYO WAVIO GX-D90」もいいでしょう。
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近くに、Boseのスピーカーもあり、それを聴くと、更によく聴こえました。(笑)
だったら、今持っているBoseのものでもOKなんじゃないかと。
ということで、PCスピーカーは保留に。
次の検討は、本命のDAC。
根本的なところで悩んだのが、DACにするかDDCにするか...
家にあるCDプレーヤーのDACを経由させるなら、DDC。値段の安さも魅力。
でも・・・なんていう考えも起こり、悩みに悩んで、最終的にはDACにすることに。
ただ、完全にはDDCも諦めきれないので、DACにDDCの機能もあればな、ということで、以下の機種に絞り込みました。
AUDIOTRAK PRODIGY CUBE
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MUSILAND USB-DAC/DDC MONITOR 02 US Dragon
ニューフォース USB DAC「Icon-uDAC2」
FiiO USB オーディオインターフェース D5
総合的には、MUSILANDのDragonが良さそうでした。
でも、uDAC2の小ささも魅力。
最終的には、値段、機能、そして、「遊べる」ということで、AUDIOTRAK PRODIGY CUBEを購入することに。
これが、192KHz/24bit対応だったら、すごくよかったのですが、多分、個人的にはそこまでのハイレゾ音源を所有することはないだろう、もし所有するなら、その時はきっと、もっといいDACを買うだろう、ということで、この機種に決定しました。
AUDIOTRAK PRODIGY CUBEの決定打は、その「遊べる」というところ。
どうやって遊ぶか?
それは、オペアンプを交換して、音の変化を楽しむのです。
調べてみると、たった数百円で音が変わるという。
それが本当なら、是非、試してみたい!と思ったのです。
ということで、AUDIOTRAK PRODIGY CUBEに決定!
《PRODIGY CUBE導入》
最初に一言で結論だけを書くと、PRODIGY CUBEを買って大正解!
まずは、外観を見て頂きましょう。
左から、大きい方のヘッドフォン端子、小さい方のヘッドフォン端子、マイク端子、ヘッドフォンとRCA接続の切り替えボタン、ボリュームつまみ。
背面側。
左から、RCA端子の赤、白、USB入力端子、光入力端子、同軸入力端子。
中を開けたところ。
マニュアルには、オペアンプが交換できる、としっかりと書かれております。
よって、メーカー公認のオペアンプ交換なのです。
下記写真は、既に「LME49720NA」に交換済み。
次に、どういうオペアンプにするか?
ネットで色々と調べまくりました。
その結果、3つ買うことに。
出来れば、どれも同じような価格帯のものを。
ド定番の「OPA2604」にしようかと思ったのですが、あえてこれは止めました。
その代わり、同じメーカーでも違う音が出そう、というものを購入。
「OPA2277」がよさそうだったのですが、お店には置いていなかったので、あまりメジャーではない「OPA2228P(570円)」にすることに。
残りの2つは、ネットでかなり評判のいい「MUSES8920D(480円)」「LME49720NA(480円)」を購入。
この2つはいい評価なので、是非、自分の耳でも確認したい、と思ったのです。
左から、PRODIGY CUBE標準のオペアンプ「OPA2134PA」、「OPA2228P」、「MUSES8920D」。
まずは、PRODIGY CUBE標準のオペアンプ「OPA2134PA」で聴いてみます。
なるほど、そういう音か。
と言っても、何を基準にそういう音か、というのは置いておいて(笑)、とりあえず、音がちゃんと鳴る、というのはわかりました。
今回、どういう音か、という評価をしたシステムについて。
かれこれ15年ほど前のステレオなので、「今」の音の評価になるかどうかはわかりませんが...
CDプレーヤー:DENON DCD-S10II
プリメインアンプ:SANSUI AU-α607XR
スピーカー:PMC TB1SM
というもので、ものすごく古い、というのがわかるでしょう。(苦笑)
でも、調べてみると、CDプレーヤー「DCD-S10II」のDACは結構いいとのこと。
このDAC目当てで中古を購入するという人もいるらしい。
そういう情報があったので、DDCの機能もほしかったのです。
この構成で、普通にCDを聴いてみると、抽象的な表現で恐縮ですが、「艶やか、広がりがある」というもの。
本当に、品よく音が鳴ってくれます。
スピーカーは、モニタースピーカーなので、ほとんど色づけなく、ストレートに音を鳴らしてくれます。
これに、PRODIGY CUBEをRCAケーブルでプリメインアンプにつないで、また、同軸ケーブルでCDプレーヤーにつないで音を鳴らしてみました。
まずは、基準を作ります。
PRODIGY CUBE-DCD-S10II-プリメインアンプ
という接続の音を基準にします。これを「10」として、オペアンプを交換した時(PRODIGY CUBEをRCAケーブルでプリメインアンプにつなぐ)にどう聴こえるか?を評価しました。
まずは、この状態で、DCD-S10IIにCDを入れて聴いたものと、PRODIGY CUBEのDDC経由でDCD-S10IIのDACで聴いたものを比較。
正直、遜色ない。
ほとんど差がないと言っていいくらい。
これだったら、高級なDACはいらないかも?なんて思いました。(笑)
ただ、そのためだけに、このプレーヤーの電源をオンにするというのもなぁ、とも思います。
とにもかくにも、DCD-S10IIのDACはかなり優秀である、ということがわかりました。
ここから比較開始です。
まずは、標準の「OPA2134PA」。
数字での評価は、「6」。
S10II経由に比べると、全体的に重心が低くなったような感じ(低音が鳴っている、という意味ではない)。ペシャンとなる。高音域と中音域が引っ込むと言えばいいのでしょうか?音域の狭さを感じました。
次に、同系の「OPA2228P」。
値段で言えば、これが一番いいのですが・・・
数字での評価は、「6」。
同型だからか、「OPA2134PA」と全く同じとは言いませんが、似たような系統の音です。ただ、低音はちょっと出ているかな?
楽しみだった、「LME49720NA」。
数字での評価は、「8」。
S10IIと比べても遜色なく、少し及ばないくらいです。
低音もしっかり出ている。広がりもそれなりにある。クラシックでは、各楽器の粒も聴こえる。
予想以上に良かったのでビックリでした。
「MUSES8920」。
数字での評価は、「9」。
正直、「LME49720NA」の「8」との差はあるかないかわからないくらい。(苦笑)
厚みがある。ふくよか。豊か。低音がよく出ています。
印象としては、「MUSES8920」の方が好印象。DCD-S10II経由と比べてもほんのちょっとした違い。
正直、PRODIGY CUBEがここまで健闘するとは思ってもみませんでした。
OPA系はかなり点数が低く感じられるかもしれませんが、それが決して悪い、という訳ではありません。
「たまたま」、僕がそう感じただけですし、音源によってはそちらの方がよく聴こえることがあると思います。
実際に、それを感じたのが、ヘッドフォンでの比較です。
購入してすぐに、ヘッドフォン端子にヘッドフォンを繋いで聴いてみました。
いや、もう、ビックリ!
何にビックリかって、聴くに堪えない音!
高音部分がキンキンして、低音は出ていないし・・・
もしかして、ヘッドフォンでは使いものにならない?!
なんて思ったのですが、時間の経過とともに音が変わりました。
これがいわゆる「エージング」というもの?
ここまで露骨にエージングを感じたのは初めてでした。
エージングが落ち着いた頃に、今度はヘッドフォンでも比較。
残念ながら、僕はスピーカー派なので、ろくなヘッドフォンを持っておりません...
10年以上前に、寝転がっても音楽が聴けるからいいな、と思って買ったヘッドフォン
今は見かけなくなりましたが、某CD店で見かけたことがあるのではないでしょうか?
確かに寝転がる時は、丸くなっている部分が顎に来るのでいいのですが、音の鳴り方はあまり好きではないです。
こもっているわけではないのですが、広がりを感じられないのです。
また、耳をかなり圧迫するので、時間とともに疲れてきます。
よって、そんなに使用頻度は高くないヘッドフォン。
カナル式のものを持ってるのですが、それはBluetoothなので、今回は使えません。
あまりいい比較環境状態ではありませんが、とりあえずそのヘッドフォンで比較してみました。
僕の印象のいい順番に並べています。
男性ボーカルのロック(HM/HR)-OPA2228P > OPA2134PA > LME49720NA > MUSES8920
女性ボーカル(どのジャンルでも)やクラシック-MUSES8920 > LME49720NA > OPA2228P > OPA2134PA
ヘッドフォンで男性ボーカルのロック系を聴いた場合、「MUSES8920」や「LME49720NA」では、ヴォーカルが引っ込んでしまい、とても聴きづらいのです。楽器の音が響きすぎ。
でも、「OPA2228P」だと、余計な響きがとれ、音がストレートに鳴ってくれるので、とても聴きやすいです。
スピーカーの方では、男性ボーカルのロックであっても「MUSES8920」や「LME49720NA」が好印象でしたが、ヘッドフォンの場合は、ジャンルによって聴こえ方が顕著に違っていて、また、ジャンルによって得手不得手がある、というのがはっきりとわかりました。
これには自分でも驚きました。
いずれ、それなりのヘッドフォンを買ってみようと思っているので、その時に改めて評価したいと思っています。
次に、PC用スピーカーでも聴いてみました。
今、目の前にあるのが、DIATONE DS-71Pという、15年以上前のスピーカー。
ここ
から写真をお借りました。有り難うございます。
当時、定価では2万円ということで、結構いい値段。買った値段は覚えていませんが、今のような時代ではないので、そんなにすごい値引きはなかったと思います。
これ自身の音の出方についてはここでは書きませんが、PRODIGY CUBEを使って、オペアンプを交換して比較してみました。
一言で言って、正直わかりづらいです...(苦笑)
変わっているのでしょうが、このスピーカーでは、明確にそこまでの違いを感じられませんでした。
いい耳を持っている人なら聞き分けできるのかもしれませんが。
もしくは、最近のいいスピーカーであれば音の違いを感じるのかもしれませんね。
これでわかったのは、スピーカーはやはりそれなりのいいものを使うべし、ということです。
以上、PRODIGY CUBEを使ってのオペアンプ比較をしてみました、という内容です。
簡単にまとめると、
響きを重視-MUSES8920
まろやかに鳴らす-LME49720NA
力強く-OPA2228P
オーソドックスに鳴らす-OPA2134PA
という感じです。
僕の場合は、基本、スピーカーから音を出します。
スピーカー経由の時は、音を聴くのにそんなにいい部屋環境ではないですし、ドッシリと座って聴くぞ!という感じでもないし(ながら聴きが多い)、大音量で聴く訳でもないので、それぞれのオペアンプの違いははっきりとはわかりづらいと思います。
集中して細かく聴き比べたら上記のように感じた、というものです。
オペアンプの交換に気付かず、そのまま聴かされたら、それをそのまま受け入れていると思います。(笑)
それなりの性能のヘッドフォンで聴いた場合は、きっとオペアンプによる音の違いを認識出来るでしょう。
その時は、ジャンルによってオペアンプの交換をするのがいいと思います。
なんであれ、オペアンプを交換することによって、こんなにも音が変わるんだ、というのがわかったのがよかったですし、とても面白かったです。
こういう音の違いを体験したい!という方であれば、このPRODIGY CUBEはとてもいい買い物だと思います!
普段はヘッドフォンを使わないので、「MUSES8920」か「LME49720NA」を常用し、プリメインアンプに直接接続して音楽を聴いています。
大げさになりますが、PRODIGY CUBEであっても、僕くらいのステレオシステムであれば、CDプレーヤーと十分置換え可能だと思いました。
96KHz/24bitでも聴いてみました。
44.1KHz/16bitと比較してみると、96KHz/24bitの方がより繊細。
ハイレゾ音源を重視するなら、なおのこと、PCオーディオでいける、というのがわかりました。
是非、オペアンプ交換出来る機種を買って「遊んで」みてはいかがでしょう?
値段の手頃感を考えれば、また、DDC機能もあるので、このPRODIGY CUBEはお勧めです。
この項の最後に、オペアンプの交換について少し。
今回、こういうのを交換するのは初めての体験でした。
ネットでは、ラジオペンチで引っぱって取ればいい、ということが書かれていたので、それでいいかな、と思っていました。
しかし、初めてのことなので、やはり不安。
オペアンプを購入した時に、ICチップを引き抜くピンセットが数百円で売られていたので、とりあえず買っておこうと思って買いました。
結果、買っておいて正解でした!
標準のオペアンプを初めて引き抜く時、ものすごーーーーーく苦労しました。(苦笑)
どうやっても引き抜けないのです。固すぎます!
初めての経験だから、力加減がわかりませんし。
ものすごい力を入れて引き抜くと、オペアンプの足がちぎれそうでした。
組み立て時に、組み立ての人はすごい力で押しこんだのでしょうか?
頑張って少しずつずらしながら引き抜こうとしましたが、どうにもならず、何かの拍子にグッと引っぱったら抜けました!
すごい勢いで抜けたので、足が切れたか?!なんて思いました。
とりあえず、PRODIGY CUBE側を見ると、足は残っていませんでしたので、一安心...
しかし、オペアンプの方を見てみると、足が思いっきり曲がってしまっていました。(泣)
事前にネットで足の曲がりについて情報を得ていました。
とにかく、まっすぐにすればいい。
ということで、冷静になってピンセットを用意し、平べったい部分で足を挟み、足をそろえ、出来るだけまっすぐにしたら、問題なく使えました。
(他のオペアンプへの交換で、PRODIGY CUBE側の穴にはまらない時は、上記のようにピンセットを使ってその幅に合わせました。)
次のオペアンプ以降は、自分で押し込めるので、力強く押し込まないようにしました。
その結果、それ以降は簡単に取り外しできました。
アドバイスとしては、こういうのが初めての人は、上記のようなICチップ用のピンセットを購入することをお勧めします。
今回、もし、それを購入せずにラジオペンチでやっていたら、間違いなく標準のオペアンプは壊れてしまっていたことでしょう。
と、ご参考まで。
《DigiFi Vol.10のDAC導入》
僕がこういうことをやり始めてからタイミング良く、Stereo Sound誌から、別冊「
DigiFi Vol.10
」というのが発売されました。
DACを導入してまだ日が浅いので、手頃な価格で比較出来る対象が入手出来るのはちょうどいいと思い、購入しました。
基盤剥き出しというのも、なんか味があっていいですね。
そして、大きめのコンデンサ(?)というのでしょうか?それがまた格好いいと思います。
PRODIGY CUBEとの大きさ比較。
PRODIGY CUBEでも結構小さいですが、これは更に小さいです。
ただ、この基盤剥き出しのままだと、何かこぼしたり、何か落としたりして壊しそうなので、何かしらで囲わないと。
Stereo Sound誌が提供する純正ケースでもいいのですが、競争率が高そうだったし(これを購入したのは発売してから1週間くらい経っておりました)、そこまでしなくてもいいや、と思って、百均で何か見つけることにしました。
お店で定規を片手に計りましたよ。(笑)
そこで見つけたのが、これ。
2個入りのもので、このDACとほぼ同じ大きさ。
端子用にカッターで穴を開け、少々不格好ではありますが、こういう感じになりました。
底をネジ止めしようかと思ったのですが、固定してしまうと逆に不便そうだったので(ケーブルを抜き差しする時とか)、固定はしておりません。よって、この箱の中では動き回ります。(笑)
見た目はともかく、これで基盤が保護されたので一安心です。
それでは、視聴です。
ヘッドフォン。
繋いですぐは、PRODIGY CUBE同様、音悪し。エージングして、随分音が変わりました。
僕の印象では、ストレートに音が鳴っている感じ。デジタル的な音と言えばいいか?
中低音が豊かだと思いました。
PRODIGY CUBEとは違う「味」があって、これはこれでいいと思いましたよ。
特に、Hard Rockなんかはヴォーカルもちゃんと聴こえて、そのジャンルに限って言えば、PRODIGY CUBEのオペアンプMUSES8920やLME49720NAより好印象です。
次に、RCA接続。
PRODIGY CUBEと比べて、低音が出ていると思いました。
(PRODIGY CUBE+MUSES8920の方がふくよかな音の鳴り方。)
その分、ヴォーカルがちょっと引っ込む感じでしょうか?
若干、高音部分が耳に触る。
あえて言うなら、PRODIGY CUBEにオペアンプOPA2228を組み合わせたような傾向の音。
PRODIGY CUBEのオペアンプMUSES8920やLME49720NAのように広がりが出る、というより、真ん中に集まってストレートに鳴る、という感じです。
RCA接続でも、Hard Rockなんかはかなりいい感じだと思います。
しかし、ヘッドフォンのように聴き入るようでなければ、他のジャンルでも問題ないと思います。特にながら聴きする場合は。
と、こういう感じで、聴くジャンルによって、PRODIGY CUBEとこのOlasonicのUSB DAC付ヘッドフォンアンプを使い分けるといいかも、なんて思いました。
(ケーブルの付け替えが面倒ですが。(苦笑))
4千円弱でこうやって楽しめるのですから、十分だと思います。
ネット上に出ていた情報で、ヘッドフォン使用時のホワイトノイズうんぬんについて。
僕のヘッドフォンはそれほど高性能なものではないので、そこまで気になりませんでした。
試しに、RCA端子側に接続するケーブルを購入し、聴いてみました。
確かに、ヘッドフォン端子側で聞えていたホワイトノイズは消えました。
しかーし、これはこれで問題。
余り詳しいことはよくわかっていませんが、抵抗の問題か、ボリュームをMAXにして、ちょうどいい感じの音量です。
更に音量を上げたい!と思っても、それ以上は上がりません...
静かに聴くだけなら、このケーブル経由のヘッドフォンで聴くのもいいと思いますが、もうちょっとボリュームがほしいな、という時は物足りなくなります。
よって、せっかく買ったケーブルですが、使う頻度はかなり減りそうです...
以上、Stereo Sound誌別冊付録のOlasonicのUSB DAC付ヘッドフォンアンプについての感想でした。
もし、まだ店頭に残っていて見かけて気になった方は購入してみてもいいと思いますよ。
色んな装置を知っておく、というのも、今後のためにもいいでしょうし。
《PCオーディオの「タブー」に挑む!》
と、大それた事を書いておりますが、僕はオーディオの専門家でもないし、電子・電気機器に詳しい訳でもありません。
あくまで素人考え、素人なりのやり方で、巷で言われているPCオーディオのタブーについて、自分なりにやってみて、考えてみたことを書いてみたいと思っております。
巷で色々と言われている、USBケーブルを変更することによって音が変わるか?
これが一番気になるところ。
普通に考えて、デジタルデータだから、USBケーブルが変わったくらいで音が変わるとは思えません。
もうちょっとちゃんと言えば、USBケーブルの中はデジタルデータが通っているので、このデータが「変わって」音が変わるということはないと思います。
そのデータそのものが変わってしまったら、「音」として出てこなくなります。これはデジタルデータとして論外です。
音が変化するとすれば、その「0」や「1」というデータそのものの変化ではなく、それ以外の要素、アナログ的な何かが関係しているのかもしれません。
もしくは、もし、変わった、と感じるのであれば、それは「プラシーボ」かな、と。
興味があったので、ネットで調べてみると、こういう記事がありました。
第2回:“ジッタ”の実体に迫る
USBケーブルが変わって音が変わると言われる一番の原因は、このジッタというものらしい。
ここでの結果としては、「Ultraviolet USBが227ps、ノーブランド品が229psと高級が2ps(1兆分の2秒!)上回った(数字が小さいほうがよい)魔物の存在は見えたような気もするが音への影響については残念ながらつかめなかった。」というもの。
この「1兆分の2秒」というものの違いを人間の耳は果たして認識出来るのか?
ただ、ここの場合は、チップの中の話なので、実際に僕たちの耳に到達するまでに、更に色んなチップや機器が関わってくるので、この「1兆分の2秒」がどのように関わってくるかはよくわかりませんが。
また、音の世界ではないのですが、こういう話もあります。
「器で味が変わる」科学的な理由
これこそ正しくプラシーボでしょう。
高級な器を使うことにより、料理が更に美味しく「感じる」。皆さんも経験ありませんか?僕はあります。
この「感じる」というのがポイントで、結局はそれは「主観」であり、客観的なデータに出来ないもの。
よって、その人がこの器を使えば料理が更に美味しくなる!と言っても、他の人が同じように感じるかどうかは別問題。
この料理の器と同様、USBケーブルも、高級な物に変えると、「期待値」「これだけお金を費やしたのだから」ということもあって、よく聴こえる(あるいは、良く聴こえてほしい)と「感じている」のではないか?というのが僕の考えなのです。
色々とネットで探ってみても、その人の「主観」で音が変わった!と言っているのがほとんどです。
これをなんとか「主観」ではなく、上記のジッタの記事のように、出来るだけ「客観的」に、本当に音が変わるのか?というのを突き止められないかな、と思って色々と考え、実験(?)をしてみました。
僕自身はこういうのは全くの素人なので、その道に詳しい人からすればつまらん、または、やり方が間違っている・・・ということがあるかもしれませんが、その辺はご容赦下さい。
このページをご覧になっている方ならご存じでしょう。
OlasonicのUSB DACが発売された時に、4種類の高級USBケーブルの付いた雑誌が発売されたことを。
高音質USBケーブル×4 SPECIAL 特別付録 「オーディオ用USBケーブル4本」 つき (別冊ステレオサウンド)
これはいい機会だ、と思ったので、僕もそれを購入(本当は別にほしくもなかったのですが。この実験のために購入した、と言っても過言ではありません。(苦笑) )
全体像。
端子の口。
さすが高級USBケーブルだけあって、作りは丁寧だし、本当に高級感があり、所有欲もそそられるものですね。
これを入手し、僕の考えた実験で、プラシーボを証明してやる!とやる気満々なのでした。
ちなみに、この雑誌の記事で気になる部分がいくつか。
・常駐させるソフトを極力減らす
ということが書かれていましたが、裏でビデオのデータ作成をした状態(CPU使用率約100%)で音楽を聴きましたが、目立って音の変化は感じませんでした。
ただ、僕の場合は、普通の44.1KHz/16bitのFlac形式ファイルなので、あまり違いがわからなかったのかもしれません。DSDのようなCPUにある程度負荷の掛るハイレゾ音源だと違うのかも?!
なんであれ、少しでもいい音で聴きたいのであれば、負荷を掛けないことに越したことはないでしょうが、ただ聴くだけなら神経質にならなくていいと思います。
・評論家による、付録のUSBケーブルの試聴の仕方
セッティングや常駐させるソフトについて色んなことを書いておきながら、DACの上にノートPCを置いて試聴するってどういうこと?と思ったのは僕だけ?(笑)
ちょっとしたセッティングで音が変わる、とか言っているのだから、そういう置き方をしたら、「本来」の性能は出ないのではないの?なんて思いました。
これはある意味、揚げ足取りですけれどね。(笑)
閑話休題。
今回やった実験はこういう感じです。
専門的な何かを計測する装置は持っていません。でも、出来るだけ客観的なデータを取りたい、という思いがあったので、主観に近い客観データをこういう感じで取ってみてはどうか?と思ってこのようにしました。
・スピーカーから出てくる音を録音し、その録音データの波形を取る
というものです。
ネットで調べてみると、こういうとても便利なソフトがあります。
WaveSpectra
このソフトを使って、音が出ている一瞬をとらえ、波形を見れば、例えば高音がいいと思われるケーブルであればその周波数が、低音が良く出ている、というのであればその周波数が飛び出しているだろう、と。
これであれば、比較的客観的に、USBケーブルを変えることによって音が変わるかどうかがわかるのではないかと思いました。
しかし、どうもこれがうまくいきません...
比較したい録音したファイルを再生させるためにWaveSpectraを2つ起動し、自分の耳でその2つの音を同期させているつもりでも、コンマ何秒かのズレがあるようで、その瞬間をきちんとスクリーン・キャプチャー出来ませんでした。
これではダメだ、ということで、別の方法をとりました。
ある場所からある場所まで(曲の1番部分)を流し、各周波数のピークをとらえるというもの。
これであれば、ある部分の状態は取れませんが、飛び抜けているのであれば、それがきっと波に出てくると思いました。
この読みはある意味当たっていましたが、しかし、なんでこういう結果になってしまうのだろう?というデータが取れたのです。(苦笑)
そういう実験をしている内に、このWaveSpectraには録音機能がある、というのに気付きました。
どうも外部入力経由で音を取り込むことも出来るらしい。
ということは、上記のようなスピーカー経由の録音より、より実際の音に近い状態のデータが取れるのではないか?
つまり、アナログ的な部分(アンプやスピーカー)を極力排除した状態のデータが得られるのです。
やってみた結果、これはこれで面白いデータが取れたのです!
ただ、自分にとっては・・・なのですが。(苦笑)
と、こういう感じで実験をしてみました。
それでは、ここからそのデータを出していきたいと思います。
まずは、計測した装置から。
PC-CPU:Pentium4 2.8GHz、メモリ:1GB、HDD40GB
OS-VortexBox
再生ソフト-VortexBoxのMPD
スピーカー(アンプ内蔵)-Bose Companion Companion 2 multimedia speaker
DAC-PRODIGY CUBE(オペアンプMUSES8920)
録音機- Roland EDIROL R-09
解析ソフト- WaveSpectra Version 1.51
使用曲- Summer Rain/Hayley Westenra (44.1KHz/16bit、Flac)、All For Love/Treat(44.1KHz/16bit、Flacと128KbitのMP3)の各曲の1番部分
です。
まずは、スピーカー経由で録音したデータがどうだったか?というのを見てもらいましょう。
用意したUSBケーブルは、上記の高級USBケーブル4種類と、プリンター接続で使われる3mの普通のUSBケーブル。
PRODIGY CUBE付属の、フィルター付USBケーブル。
です。
使用した曲は、「All For Love/Treat(128KbitのMP3)」です。よって、10kを少し過ぎたところがストンと落ちていますので、予めそのことを頭に入れておいて下さい。
(スピーカーから録音したものでも、MP3のそぎ落とされた部分が明確になっている(欠落している)、というのは面白いです。)
画像の下にある名称をクリックすると、各波形が見られます。
但し、上部の30000~-30000のWaveは気にしないで下さい。停止した瞬間の波形ですので、必ずしも同じではないです。
PRODIGY CUBEを使用し、オペアンプはMUSES8920。
「UA-30」は、Rolandの外付けDAC。「3m」は、普通のUSBケーブル。「付属」は、PRODIGY CUBEの付属USBケーブル。最後の「Zono(2228)」は、オペアンプをOPA2228Pに変更して計測したものです。
UA-30だけちょっと飛び抜けているのは、録音レベルが全く同じに出来なかったからです。
これで一つだけ面白いと思ったのが、10kの少し右側の飛び抜けている周波数。
他のものと比較して、ここ(と他のいくつかの周波数)がほぼ同じレベルなのです。ということは、他のPRODIGY CUBEのものと同じレベルにすれば、その部分の音が更に引っ込む、ということなのでしょう。
さていかがでしょう?
僕個人的には、なんのこっちゃ?!という感じです。(苦笑)
頑張って同じ環境(録音機は動かさない、自分のポジションもほぼ固定等)で録音したつもりですが、それでも何か別の要因があってこんなにも違いが出ているのでしょうか?
部屋はありきたりの洋室です。録音機は、スピーカーとほぼ正三角形になる位置に置きました。
僕としては、この実験で、ある程度そのケーブルの特徴が押さえられるかと思ったのですが...
あと、もっといい録音機材、マイクがあれば、また違った結果だったかもしれません。
このデータには正直、不満だったので、次のようなことをしてみました。
・全く同じ構成、環境で、3回連続録音し、その3つの波形を比較する、というもの。
使用した曲は、「Summer Rain/Hayley Westenra (44.1KHz/16bit、Flac)」です。
オペアンプはMUSES8920、USBケーブルはZonotoneです。
うーん、ちょっとビックリです。
本当に同じ構成、同じ環境で録音しております。また、頑張って、自分自身も動かないように、出来る限り同じ姿勢を維持したつもりです。それでも、こういう違いが出ている・・・
「耳」で聴いた限りでは、全く同じに聴こえたんですけれどね...
どうしてこういう風になるのでしょう?
ということは、最初の比較は、あまりデータとしては信頼出来ない、ということになると思います。
同じ構成・環境でもこれだけズレがあるので、違う構成になれば、余計不確かなデータになりますから。
ということで、残念ながら、スピーカー経由での録音は失敗に終わりました...
でも、なんらかの参考になるかと思い、とりあえずデータとしては出しておきます。
スピーカー経由の録音はダメだったので、確実にデータの相違が得られる方法を考えると、WaveSpectraの録音機能を使って、極力アナログの要素を排除してデータを取ることではないかと思います。
これであれば、アナログ的な要素はかなり排除されるので、問題ないかと思い、データを取りました。
接続方法は、VortexBoxのPC-USBケーブル(
ここを変更
)-PRODIGY CUBE(RCA出力)-RCAケーブル-(RCA入力)UA-30-USBケーブル(フィルター付)-Windows 7PC(WaveSpectra)。
申し訳ないのですが、RCAケーブルは、極々一般的な赤白のものです。
オペアンプは、MUSES8920。
「3m(MP3)」は、3mの普通のUSBケーブルを使って、Summer RainのMP3ファイル(128Kbit)を使って録音したものです。
ご覧頂ければわかるように、10kを過ぎたところでストンと見事に落ちております。この部分が削られている部分なのです。参考までにこういうのも記録してみた、というものです。
それぞれクリックすればわかると思います。高級USBケーブルの4種類は、ほとんど相違がないです。若干あるだけ。
しかし、3mのものやPRODIGY CUBE付属のものと比較した場合、山の位置が違っています。とはいっても、全ての周波数ではっきりと何dbも違っている、ということではないのですが。
違う曲で、もう少し拡大したものをご覧下さい。
曲は、「All For Love/Treat(44.1KHz/16bitのFlac)」で、この曲は結構上部で音が推移したので、「-60db」より上を記録しました。
さて、いかがでしょう?
正直、僕が思っていた結果と違っていて、悔しいですね。(苦笑)
明らかに、4本の高級USBケーブルとそれ以外の違いが明確です。
もっと近接するかと思っていたのですが。
高級ケーブル間の比較では、ほとんど同じ山を描いております。ということは、使われている素材、そのケーブルに注ぎ込まれた理論はきちんと反映されている、ということでしょう。
そうそう、ちなみに、無音状態だとどうか?
ここで、一度整理してみます。
スピーカー経由で録音したデータは、今回は参考にならないので、それは考慮しません。
よって、WaveSpectraの録音機能を使って取ったデータで考察してみたいと思います。
大きく次の2つで考える必要性があります。
3mのUSBケーブル/PRODIGY CUBE付属のUSBケーブルと高級USBケーブルでの音の相違
高級USBケーブル間での音の相違
まずは、1つめ。
これは見た通り、明らかに違いが認められました。PRODIGY CUBEの付属ケーブルと高級USBケーブルとの比較では、かなり差は少ないですが、それでも相違があります。
ということで、データ上は、音に相違がある、と言えると思います。
問題は、その相違が5dbくらいあれば明確に違いも認識出来るとは思いますが、見たところ、1dbかコンマ何dbの相違。
さて、この相違を人間の耳はきちんと認識出来るのでしょうか?
きっと、それを認識するためには、高級ステレオシステムで、そこそこのボリュームで聴く必要性があるのではないかと思います。
今回の僕のような入門レベルな音楽再生環境ではどこまで認識出来るか?
ボリュームを大きくして認識出来たとしても、それは通常のリスニング環境ではないので、理想的ではありませんよね。
次に2つめ。
高級USBケーブル間では、ほとんど差がありません。
あるのは、ほんのほんのごくわずか。
さてさて、これ、本当に人間の耳で認識出来るのでしょうか?
これこそ、プラシーボ効果なのではないかと僕は思うのです。
さて、皆様はどう思いますか?
今回の実験を、「窓から見た景色」に例えてみます。
まず、窓が汚れていたとします。外の景色を見るためには、その窓の汚れを拭き取る必要性があります。拭き取れば、その先の景色がきちんと見えます。
これを、PCオーディオの方で例えると・・・
外の景色=音楽データ
窓の汚れ=ノイズ・ジッタ等
雑巾=USBケーブルの性能(もちろん、他にも何らかのICチップや回路やらも関係します)
もし、あまり質のいい雑巾でなければ、汚れはきちんと取れません。よって、外の景色を見ることが出来ても、「クリアー」には見えません。汚れ越しに景色を見ることになります。
一方、質のいい雑巾(例えば、マイクロファイバーの入ったものとか)であれば、汚れもかなり綺麗に取れるので、外の景色をクリアーに見ることが出来ます。
前者が、普通のUSBケーブル。後者が、いい材料を使い、いい思想や理論で作られた高級USBケーブル。
大事なのは、「外の景色=音楽データ」は、「絶対」に変わらないということ。これが変わってしまっては、その再生環境は全く持って論外です。ましてやUSBケーブルによって、その音楽がきちんと聴けないという場合は、こういうことを論じる対象外となります。
「窓の汚れ=ノイズ・ジッタ等」をいい形で取り除けば、つまり、いい「雑巾=USBケーブル」を使えば、「外の景色=音楽データ」はよりクリアーに見る・聴けるということになります。
あの波形の違いを信じるなら、データ上は、やはりいいケーブルを使った方がいい、と言うことが出来ると思います。
しかし、高級USBケーブル間で音が変わるか?となると、これは疑問です。個人的にはプラシーボに近いように思います。だって、ほんのわずかの相違ですから。
誤解してはいけないのは、その波形の相違が「いい音」かどうかは別問題です。きちんと聴こえている=いい音ではありませんから。
あの波形を見ていて思いました。あれって、結局は、ボリュームダウンされた状態である、ということ。つまり、各周波数をイコライジングしていると言ってもいいと思います。
かなり無茶なことを書きますが、普通のUSBケーブルであっても、各周波数を高級USBケーブルと同じになるようにイコライジングすれば、それとほぼ同等の音になる、ということではないでしょうか?
もっと無茶を言えば、そういう周波数うんぬん抜きにしても、高級USBケーブルを使っている時よりも、ほんの数dbでもいいので、ボリュームを上げれば、高級USBケーブルと「同じように聴こえるかも」しれません。(苦笑)
これ、あながち嘘ではないと思いますが。
次に、こういう観点はいかがでしょう?
どういうUSBケーブルを使っても、音は出ている訳だから、その聴こえ方が違う=そのUSBケーブルが求める音、というものです。
つまり、そのUSBケーブルの「個性」なのです。
安いのは、そういう音を出す個性、PRODIGY CUBE付属のUSBケーブルはそういう音を出す個性、AIMはそういう音を出す個性、Zonotoneはそういう音を出す個性・・・
人によっては、安いケーブルから出てくる音の方が「好み」と言う人もいるかもしれません。実際、ヘッドフォンなんかでは、高いからと言って、「好み」になるとは限りませんから。
こういう観点ってないでしょ?(笑)
あの波形であれだけのごくわずかな相違なのですから、人によっては音が変わったように聴こえない、というのは仕方ないと思います。ましてや、高級ステレオシステムでなければ余計に。
ということで、僕なりの結論。
今回は、あくまで入門レベルの装置を使っての検証です。よって、高級な機材やケーブルを使ってやった場合はまた違った結果が出てくるかもしれません。どなたかがやってくれればいいのですが。
特に、スピーカー経由の録音はとても気になります。
音楽データそのものは、USBケーブルがどういうものであれ、変わることはない。変わってしまったら、それは不良品。
普通のUSBケーブルやPRODIGY CUBE付属のUSBケーブルと、高級USBケーブルを比較した場合、波形データ上は相違がある。よって、それなりの音楽再生環境であれば、その相違を認識出来る人もいる、と思います。
音が変わって聴こえるのは、ノイズやジッタが、各周波数に影響を与え、安いケーブルの場合は、その周波数をボリュームダウンさせている、と思われます。
この波形データの相違は、ある意味、イコライジングされているようなもの。よって、安いケーブルでも、上記のデータを参考に、各周波数をイコライジングすれば、その音に近づけることが出来る!かもしれません。(笑)
ということは、高級USBケーブルを使っているのに、音楽再生ソフトやアンプの方でイコライジングしてしまったら、高級USBケーブルを使っている恩恵はかなり薄くなると思います。
逆に、イコライザーを使う人であれば、高級USBケーブルを使わなくてもいいかも。
高級USBケーブル間での相違は、ごくごくわずか。そのわずかの相違を果たして人間の耳で認識出来るかどうか?プラシーボ効果、ということを出すと、この高級USBケーブル群に対して言えることではないかと思います。
もちろん、スピーカーから音が出るまでに、他にも色んな要素が関わってくるので、それによってその相違が増幅されるかもしれませんが。
音が異なって聴こえることを前提にすれば、極端な言い方ですが、安物ケーブルだろうと高級ケーブルだろうと、それはそのケーブルの「
色
」と考えればよい。
安物はイヤ、でも、そんなに高級なケーブルはいらない、というのであれば、精神安定上、3千円くらいのケーブルでもいいかもしれませんね。今回の比較対象には入っていませんが。
と、こういう感じかな、と。
僕は、どういうケーブルを使っても、プラシーボだと思っていましたが、どうも普通のUSBケーブルと高級USBケーブルの間には、それなりの「壁」があるようです。
しかし、音が鳴っている、ということで言えば、その相違はそれほど大きくはないので、入門レベルな音楽再生環境の人、そんなにボリュームを上げないという人、神経質ではない人は気にしなくてもいい、と言ってもいいと思います。
どうでもいい話ですが、Summer RainでのHayleyの歌声は、1KHz辺りでした。
蛇足的に、USBケーブル検証時にちょっとだけ追加でやってみたことがあります。
今回はVortexBoxを使いましたが、Windows OS上の音楽再生ソフトを使って、WaveSpectraに直接録音してみました。
サウンドデバイス、音楽再生ソフトによって、若干相違があるようです。
特に、僕が使っているSound Blaster X-Fi Xtreme Musicを通した時に、どの音楽再生ソフト(foobar2000、Windows Media Player、AIMP、XMPlay)を使っても、超高周波(20KHz付近)のところがストンと落ちていました。
面白いものです。
今回、聴き比べをしていて気付いたことがあります。興味があれば、また、プラシーボではない、と思う方は、次のようなことをやってみて下さい。
ケーブルを差し替えて、最初の20秒くらいを聴く。そして、また最初から20秒くらい聴く。またまた最初から20秒くらい聴く、というのをやると、3回目くらいには、1回目の印象と随分変わっていると思います。
これは多分、脳の仕組みに起因するものだと思います。脳っていい加減ですからね。(笑)
その3回目の聴いた時の印象で、各ケーブルを比較してみて下さい。さてどうでしょう?
あと、良く出てくる話題で、ディスク装置やケーブル、リッピングするソフトによって音が変わるか?というのもやってみました。
その検証結果をここに出そうかと思ったのですが、面倒だったのでやめます。(苦笑)
結論だけ書いておくと、
PCが何であれ、リッピングソフトが違っても、ディスク装置が同じであれば、相違はない。
ケーブルによる相違もない。上記の高級USBケーブルも使いましたが、変わりませんでした。
相違があるのは、ディスク装置が違っている時だけ。
WinMerge
でバイナリ比較し、相違の場所を見てみると、最初の行と最後の行だけ。
果たしてこの相違が音に影響を与えているだろうか?
次に、
音くらべ
というソフトを使って相違を見てみると、全ての組み合わせでこの通りではないですが、「0分0秒00001~0分0秒00201」という、なんともまぁ、人間が認識の出来なさそうな「秒数」のところに相違があるだけでした。
ちなみに、テスト環境は、デスクトップPC(Core2Duo)とノートPC(i5)。
ディスク装置は、デスクトップPC用のSATA接続のDVD/RW装置、外付けDVD-RAM装置、外付けBDレコーダー装置。
ケーブルは、3mの普通のUSBケーブル、各装置の付属のものとZonotone。
使用ソフトは、
CD2WAV32
と
fre:ac
(あえて一般的に使用されていないものを使用)を使ってWAVEファイル出力。
上記のもので、全ての組み合わせで実施しました。
結論。よっぽど質の悪いディスク装置やケーブルを使わない限り、リッピングに関しては、神経質にならなくていいでしょう。
さて、PCオーディオのタブーに、僕なりに挑んでみました。
いかがでしたでしょう?
若干煮えきれないところもあるにはあるのですが、やってみてある程度すっきりしました。
USBケーブルの件に関しては、僕はプラシーボだと思っていたのに!(笑)
ということで、PCオーディオのタブーについての、僕なりの検証と考察でした。
最後に、PCオーディオそのものの、僕なりの意見。
スピーカーにはお金を掛けよう!
ただただ、これだけ。
次に、プリメインアンプ、そして、DACかな。
どういうケーブルでも、ケーブル類は金銭的に余裕があれば。
接続方式は、
いいスピーカー-(スピーカーケーブル)-それなりのプリメインアンプ-(RCAケーブル)-(アナログ出力)DAC(デジタル入力)-(光 or 同軸ケーブル)-(デジタル出力)DDC-(USB接続)-PC
がベスト。
次は、
いいスピーカー-(スピーカーケーブル)-それなりのプリメインアンプ-(RCAケーブル)-(アナログ出力)DAC-(USB接続)-PC
もっと安価に仕上げたい場合。
いいアンプ内蔵スピーカー(デジタル入力)-(光 or 同軸ケーブル)-(デジタル出力)DDC-(USB接続)-PC
この企画が、皆様に何らかのお役に立てたのであれば幸いです。
読んで頂き、有り難うございました。
導入検討
Prodigy Cube導入
DigiFi Vol.10のDAC導入
PCオーディオのタブーに挑む!