相良姉妹写真集Top
相良姉妹写真集Top

ご覧頂いた作品、いかがでしたでしょうか?
いい印象を持って頂けたのであれば幸いです。
NZらしい、NZだからこそ出来た撮影だと思っています。

さて、どうしてこういう写真がここにあるのか?
僕のサイトをご覧になっている人は不思議に思うでしょう。
相良姉妹のファンの方達は、どうしてニュージーランドでこういう撮影があったの?と思われているでしょう。

そういう疑問にお答えする形で、撮影裏話をここに書きたいと思います。
少々長いですが、どうぞお付き合い下さい。


【切っ掛け】


そもそもの切っ掛けは、今の時代らしい「出会い方」です。

ある日突然、satiという人からメッセージが届きました。
全く知らない人...
なんだろう?と思い、メッセージを読み、貼られていたリンクを見てみると、もう驚きました。

こんなことをしている人が日本にいるんだ、と。
そういう人から直接メッセージを頂戴したのですから、僕としても嬉しい限り。

どうして彼女は僕にメッセージを送ってきたか?

satiさんは、2010年2月下旬に行われる、New ZealandのAucklandで開催されるJapan Day(日本文化を現地の人たちに紹介するイベント)に参加されるとのこと。

NZに関する情報を集めていた時に、ひょんなことから僕のことを知り、メッセージをくれたようです。

彼女は、僕のサイトの方も見てくれていたようで、僕の撮る写真を気に入ってくれているようです。
僕も被写体として申し分のない彼女を撮影出来たら面白いだろうなぁ、と思いました。

何度かやり取りをしていると、意気投合し、現地にて撮影しましょう、という運びとなりました。

さて、どういう経緯で僕のことを知ったのだろう?と思って聞いてみると、以下のような感じでした。

僕は、現在、New ZealandのAucklandという場所で写真を撮って生活しています。
昨年から、日本で個展を開始し、そして、友達のお誘いで、2010年2月にAucklandで、NZで初の写真展を開催することとなりました。

その写真展の宣伝を、インターネット上のとある場所でしていました。

そういう情報を、いつ、どこで誰が見ているかわかりません。
日本での個展の時もそうだったのですが、今まで全く繋がりのなかった人たちとこういうネットを通じて知り合うことが出来ます。

相良姉妹のお姉さんsatiさんもその一人のようでした。

今のご時世、どこでどう繋がるかなんて全くわかりませんね。
そして、今の時代らしい出会い方だと思います。

逆の発想をすると、もし、僕がAucklandで写真展を開催していなかったら、まず出会うことはなかったでしょう。
一方、satiさんがJapan Dayに参加することになっていなかったら、satiさんはNZに興味を持つこともなく、もちろん、僕とも知り合うこともなかったでしょう。

ほんのちょっとした切っ掛けです。
これがクロスした時にこのように出会えたのです。

出会いの不思議さを感じる出来事でした。


【テーマが出来る】


satiさんがNZにいらっしゃり、早速僕の写真展に足を運んで下さりました。

そこで雑談。

satiさんにお会いしたことのある人ならわかって頂けるかもしれませんが、彼女は独特の雰囲気を醸し出しています。
この雰囲気って一体何なんだろう?と会話をしながら思っていました。
その時、もう一人別の人も加わって話をしていたのですが、そこでsatiさんが神社で踊った時のことを喋っていた時、あるイメージが浮かび上がってきました。

それは、『月』。

satiさんって月に関連している人???

そう思ったので、そのことをsatiさんに伝えると、心当たりあるようで、納得してくれました。

そして、撮影の話になりました。

satiさんはモデルとしても魅力的なので、そのまま撮影するだけでも十分でしょう。
しかし、その魅力を更に上げるには、何かしらのテーマに沿って、何かしらのストーリーを作って撮影すればより効果的になるのではないだろうか?と僕は思い、それを伝えました。
そのテーマを「月」にしてはどうか?と。

月に関して思うことがあるsatiさん。
僕のこの提案に賛同してくれ、月と絡めて撮影することとなりました。


【下見】


今回のsatiさんの滞在には驚くような出来事が一つありました。

それは、彼女のホームステイ先が、僕が住んでいる家からさほど遠くはなかったということです。車で数分ほど。
いえ、僕の住んでいるところが町に近く、便利なところだったらさほど驚かないのですが、正直、ホームステイをするには適していない不便な場所だったから、とても驚いたのです。
(町まで車であれば、30分ほど、バスだと1時間以上も掛かることもあります。)

撮影をする場合、迎えやら何やらがあるので、家が近いに越したことはありません。
この偶然に本当に驚いた次第です。

さて、僕らの住んでいる地域には、海沿いに大きな公園(農場)があります。
そこで撮影するのもいいな、と思っていた僕は、一度そこに一緒に下見に行った方がいいかな、と。
下見をすることによって、satiさんの気持ちも盛り上がるのではないか、と思い、散歩に誘ってみました。

ここは、Aucklandらしからぬ景色が見えるので、僕は結構好きな場所。

その風景に、satiさんも喜んで頂けたよう。

その風景とsatiさんを見ていると、ムズムズしてきました。
何がムズムズしてきたかと言いますと、撮影魂が...

この時は下見の散歩だったので、いつも使っている一眼レフは持ってきていません。
念のために、と思って持っていたコンデジのみ。

それでもいいから、と思って、satiさんにお願いして、私服でしたが撮影をさせてもらいました。

写真そのものはブレブレでよくないのですが、それでも、出てきた絵を見て、溜め息・・・
ものすごく絵になるではないですか!


そして、月も出ていたので、それも絡めて撮影。


あぁ、僕のイメージは間違っていなかったな、と。

これをsatiさんに見て頂くと、どうやらスイッチが入ったようで、本番となる撮影を楽しみにしてくれるようになりました。

この試し撮りの写真を、日本にいる妹のemonさんにもご覧頂けたようで、彼女も気に入ってくれたようでした。
(emonさんもJapan Dayに出演のため、短期間ですが、Aucklandにいらっしゃることになっていました。)


【1回目の本番】


satiさんは、現地の英語学校に毎日通っていました。
1回目の本番の日は、学校修了後、撮影現場に向かうこととなりました。

ちょっと観光も兼ねて、別の場所に行くことに。

そこは、Aucklandの町の北側にある、Devonportという小さな雰囲気のいい町のビーチ。

僕はよくこの近辺でウェディングの撮影をします。

上からの様子。


ビーチ上で。


雰囲気のいい場所なので、satiさんにも気に入って頂けるかな、と。

そのビーチを歩いていると、あるものに目が行きました。

satiさんは、木が好きなのだそうです。
特に、根っこが盛り上がったような木が。
そのビーチに面白い木があったので、それを教えると、えらく気に入ってくれ、それと絡めて撮りたい、ということになりました。

とりあえず、このビーチの状況を気に入ってくれたようで何よりです。

そこから準備。

彼女はいつも、その場所や状況に応じた衣装を選ぶそうです。
衣装を着た生satiさんをまだ見たことがなかったので、どういう風な化粧に、衣装になるのだろう?と楽しみに待ちました。

そうこうしているうちに、日がドンドンと暮れ始めました。
可能なら、ある程度明るいうちに撮影をしたかったのですが、どうもそれは無理そう。

ようやく出来上がった頃には、薄暗い状況でした。

僕がポートレートを撮影する時は、大概、事前にイメージ作りをします。
本番の時、例えその通りでなくても、事前にある程度イメージを作っておくと、撮影しやすいのです。

もちろん、今回の撮影でも、イメージ作りをしようと思い、色々と考えました。

が、なーんにも頭に浮かばない・・・
考えても考えても、何も浮かばないのです。

どうして?と不思議に思いましたが、浮かばないものは仕方ない。
これは現場に行ってから、成り行きで撮影するしかないんだな、と思い直し、イメージを事前に作るのはやめました。

さて、撮影。

上記の通り、イメージが一切出来ていないので、どうやって撮影しよう?と。
正直、まだ気分は上がっていませんでした。
また、日本で撮られたsatiさんのイメージが頭に残っているので、それを払拭した状態で撮影しないと、とも思いました。

最初の数枚は、正直言って、ダメでした。
なんか違う、僕らしくない。

全てを頭から取り去って、ファインダーの中のsatiさんに集中し、自分らしく、と思って撮影を始めると、見えてきました。
イメージが。

そうか、こう撮りたかったのだな、と。
そして、こういう写真が自分らしい写真だな、と。
(それが、相良姉妹写真集2010の夕暮れ時の最初の数枚です。)

そこからエンジンが掛かり始め、ああだこうだと撮影が出来るようになりました。

日が完全に暮れ、もう当たりは真っ暗状態。

最初に作ったテーマ、月、ですが、雲に隠れてしまって見えません!
夕暮れ時には見えていたのに!!
その月明かりを利用して撮影したいと思っていた僕は困りました。

月がないのは仕方ないので、では、satiさんが気に入ったという木を絡めて撮影することに。

ここでも大問題が。

もう、本当に真っ暗。
カメラ自身のオートフォーカスがまともに機能しません。

シャッタースピードに関しては、ISOの感度を上げても限界があります。

さて、これはどうしたものか、と考えました。

本当なら使うつもりのなかったフラッシュを取り出すしかないかな、と。

夜のポートレート、しかも、フラッシュを使っての夜のポートレートなんて経験したことのない僕としては不安もありましたが、とりあえずセッティングをし、試し撮り。

出てきた写真は・・・

なんともまぁ、不思議な写真だこと...
現実の世界からかけ離れたような写真。

それを見せると、satiさんは気に入ってくれ、それで行くことにしました。

もう、真っ暗状態なので、彼女がどういう表情をしているかなんて僕には分かりません。
とりあえず、ピントを合わせ、フレームを合わせてシャッターを切る、これしか出来ませんでした。
(今回の撮影は、仕事で撮影していたパーティー撮影の応用となりました。
仕事での撮影がこうやって活かされるとは。)

ことあるごとに出来上がりをカメラのモニターで確認し、その都度、なんかすごい世界だなぁ、と溜め息。

そうこうしていると、月が顔を出してくれました!
そこから、テーマの月と絡めての撮影となりました。

もし、最初から月が出ていたら、こういう撮影になってなかったでしょう。
お月さんもなかなか憎い演出をしてくれました。

それなりに撮影しましたし、これ以上撮影を続けると、satiさんの体が持たない。
(とても風の強い日でした。ちなみに、Aucklandは常に風の吹いている町です。)
ということで、この日はこれで切り上げました。

今まで全く経験のしたことのなかった夜のポートレート撮影。
仕上がりは、ご覧の通りです。

そして、月との絡みは、大正解だったと自負しております。


【Japan Day当日】


Japan Dayの2日前に、日本から妹のemonさんとお母様がいらっしゃり、そして、Japan Day当日となりました。

彼女たちの舞いを生で見るのは初めて。
どういう動きをするのかわからない状態で、撮影をするのも不安でしたが、まぁ、なるようになるだろう、ということで本番に臨みました。

相良姉妹として、彼らは、野外ステージで2回舞うことになっていました。

1回目は、13時15分頃から。

音楽が始まり、舞いが始まりました。

ファインダー越しに見るsatiさん。
いつもと違います。
目が違う、オーラが違う。
鬼気迫るものを感じました。

まだ直接は話をしていないemonさん。
satiさんとは違う魅力を持った人。
彼女の魅力にも引きつけられました。

ステージ付近には、たくさんの撮影者がおり、いかに注目されているかがわかります。

まずは、全体を見ておきたい、と思ったので、僕は少し離れた場所から撮影。

やはり生は違うなぁ、と彼らの動きを追い、撮影をしていました。

そして、2回目の公演は、15時15分頃だったのですが、若干押し気味だったので、遅れて開始。

今度は、大きく撮りたい、より迫力を出せればと思ったので、ステージ寄りに陣取り撮影開始。

2回の公演が終わり、初めての挨拶。

emonさんは、ニコニコーと今時の若い子らしく、かわいい笑顔で挨拶をしてくれました。

が、なんか状況が・・・

話を聞くと、主催者側の厚意で、室内のステージでもやらないか、と言われているそうでした。
しかも、すぐに。
確かに、とても魅力的な舞いだから、室内でもすれば注目されるでしょう。

時間もすぐだったので、挨拶もそこそこに、僕は室内の方に向かい、撮影場所を確保しました。

室内での呼びかけもあり、始まる頃には多くの人が、ステージの方に集まってきました。

途中、とんでもないハプニング(僕の方では書くのを控えさせて頂きますm(_ _)m)がありましたが、多くの人を虜にしたのではないでしょうか?

その後の僕の別の目的も終わった僕は、家路へと。

家に帰り、この日の写真を見返しました。

satiさんは月のイメージ。
じゃぁ、emonさんはなんだろう?と写真を見ながら思っていました。

姉妹だから、やはり同じ月かなぁ、と思って見ていたのですが、なんか違う。

色々と当てはめていた時、ある星がピッタリ当てはまりました。

それは、金星。

なんでそう思ったのかは僕にも分かりませんが、金星が彼女にぴったり合うと思ったのです。
(この辺の話は後述。)

satiさんは月、emonさんは金星。

なんか面白い組み合わせだなぁ、と思った次第です。


【月の子と月の天使】


Japan Dayが終わって二人とも疲れていたでしょうが、その日の夜は、また撮影。
例の近所の公園にて。

現場に向かっている時、ちょうど夕日が沈み始めていました。
残念ながら、現場に到着した時には日が沈んでしまい、また薄暗い状態。

それでも、月がキレイに見えており、この状況に感動。
(満月の1日前。)

早速撮影開始。

前回同様、やはり最初はエンジンが掛かりません。
それは僕も、相良姉妹も同じ。

最初の数枚を撮影し、あ、こういう感じで撮ろうと思ってからはそれなりの写真になっていったのですが、どうもemonさんが「ノって」いないように見えます。

初対面でいきなりこういう撮影だから仕方ないとは思いますが、そのままの状態で終わってしまっては勿体ない。
だから、適度に声掛けをし、撮った写真を見せ、それで僕の方を信頼してもらうしかないかな、と思ってそうやっていました。

その効果もあってか、時間が経つとともに、ようやくノってきたようでした。
よかったよかった。
(後で聞いた話では、人見知りをするとのことでした。)

撮影前に、今回の撮影のテーマというか、ストーリーが見えてきたので、それについてお二人にお話をさせて頂きました。

まず、satiさんを撮影した後、写真を見ていると、詩がいくつか浮かんできました。
単なる写真を見せる、というのではなく、僕お得意の写真と詩で見せる、というアイデアが出てきたのです。
(興味のある方はこちらをどうぞ。)
そして、最初のフレーズ「わたしは月の子」から「そう、わたしは月の子」までを詠みました。

が、残念ながら、お二人はピンと来ていないようでした。
口で言われてもわかりづらいですよね。仕方ないと思います。
でも、実物を見てくれれば・・・、というのが僕の思い。
(果たして、「月の子」のFlashムービーはお二人は気に入ってくれたでしょうか?)

emonさんは、2mもの長さのある弓を持っています。
これが格好いい。
撮影している最中だったか、終わってからか忘れましたが、出てきたイメージが、題名の「月の天使」。
先述した通り、emonさんは金星のイメージですが、ここは、月から月の子を守るために降りてきた月の天使がいいなぁ、と思って、そうしました。
そうすれば、ストーリーが出来るかな、と。

相変わらず真っ暗な中での撮影でしたが、出てくる絵は本当にお伽噺のような雰囲気。
面白いポートレート撮影となりました。


【月の舞い姫と金星の舞い姫】


emonさんとお母様が帰られる一日前に、観光を兼ねた撮影旅行をすることとなりました。

詳細は割愛しますが、一つの目的地であるWest AucklandにあるMuriwai Beachでの撮影は、僕はとても楽しみにしていました。
ここは、南島には負けないくらいの絶景ポイントがあり、またビーチは広々としているので、間違いなく、日本では撮影出来ないものになる、と確信があったからです。

予め、干潮時間も調べておきました。
17時30分頃。

ここに到着したのが、その時間。
そこから準備開始。

今回も、このビーチのイメージで衣装や化粧を決められたようです。

ここMuriwai Beachでの撮影で一つだけ気がかりなことがありました。
それは、太陽の状態。

17時半とは言っても、ここは夏のNZ。
まだ太陽は高い位置にあります。

日差しのあるポートレート撮影は結構きついです。
顔に影が出来る、逆光で撮影すると、背景が白く飛ぶetc。
いや、それはそれで僕はいいと思っているのですが、日差しによる体力の消耗も考えると、出来ればない、もしくは弱い方がいいな、と。

現場に出向いてみると、驚くような光景が!

それまでは、東海岸側にいたのですが、キレイに晴れ渡っていました。
が、ここ西海岸ではご覧のような状況。

何て言うのでしょう、まさしく天孫降臨に相応しい風景?!?!


こんなドラマチックな状況で撮影出来るなんて、そうそうないと思います。

これは本当に幸運な撮影と言えるでしょう。
これで雨が降らなければ全く問題なし、です。

ビーチに到着し、撮影を開始。

一度撮影をしているからか、emonさんも少しはリラックスしてくれているようです。

途中、ちょっとしたハプニングもありましたが、本当にドラマチックな撮影になったと思います。
こんな景色の下、もう二度とこういう撮影は出来ないでしょう。
こういう天気や情景も、「一期一会」だと思います。

欲を言えば、時々、雲の隙間から太陽光が差し込んでくれば、よりドラマチックになったのですが...
残念ながら、一度もそういう状態にはなりませんでした。

そうそう、僕のポートレートに関して、一つこだわりがあります。

普通のポートレートは、モデルとなる人をどう見せるか、際だたせるか、だと思います。
が、僕の場合は、そういう観点プラス、別の観点で撮りたい、というのがあります。

NZで2冊のNZ風景写真「New Zealand Land of Clouds」「Moods of New Zealand」を出している僕ならではのポートレート写真。

それは、モデルをその風景にどう融け込ませるか、というものです。

それを今回、どうしてもやってみたかったのです。
そして、それがちゃんと出来ました。

引きの写真で、お二人が小さく写っているものがありますよね?
そういう写真がそれです。

美しい、ポートレート風景写真だと思います。

今回の撮影は、今までの欲求不満を全て払拭してくれました。

Japan Dayの撮影を除き、2回の撮影はほとんど暗闇の中。
だから、モデルの表情なんてさっぱり見えていない状態で撮影しています。
結果的に、いい写真になっているからいいのですが、それでも撮る側からすれば、狙ったものを撮った訳ではないのでちょっと不満だったのです。

が、今回は、二人の表情、仕草を見ながら撮影出来、ようやくポートレートらしい写真になったなぁ、と思っております。

それなりに撮れたし、潮がだんだん満ちてきたこともあり、また、お腹も空いてきたので撮影は終了。

片付けをして、お楽しみの食事へと出発。

この日は満月。
以前の予定では、この満月と絡めて撮影するつもりでしたが、時間も遅くなっていたので、諦めることに。
空には雲が一杯だったので、月は見られないだろう、と思っていたら、帰りの道中で、雲の合間から月が見え隠れ。
なんともエロい状況。
そして、それが「目」に見え、こちらを覗いているような月。
時間的にももう無理だということで、この満月との撮影は断念していたのですが、諦めきれない様子のsatiさん。
またの機会に、ですね。
なんであれ、この月は、僕らを祝福しているように見えました。

帰りの車の中で、emonさんの金星の話になりました。

聞いてみると、彼女は、セーラームーンのヴィーナス戦士が好きだったとのこと。
そういうイメージを僕が感じ取ったのかどうかはわかりませんが、実際、月夜に弓を持ったemonさんの写真を見ていた時、同じくヴィーナス戦士、というのが僕の頭の中に出てきていました。

いやはや、こういう符号は嬉しいものです。

この後は、NZらしい美味しい食べ物とNZワインを堪能して頂き、ホームステイ先へと送り届けました。

以上で、撮影は終了です。

今回の撮影は、時代の恩恵にかなり与っております。
カメラの技術の進歩により、高感度撮影、暗闇の中でも可能だったオートフォーカス、デジタルだから出来る、その場での写真確認etc。
本当に恵まれた時代ですね。


最後に、二人の魅力をちょっと分析。

satiさんは、本当に月。
華やかな美しさ、というものではなく、月の光のように、ジワジワーと来る妖艶な美しさ。

一方、emonさんは、金星。
弘法大師空海が悟りを開いた時、金星が口に飛び込んできた、という逸話がありますが、まさしくそれ。
ビーチでの撮影ではっきりしましたが、ポーンと飛び込んでくる美しさがあると思います。それが彼女の魅力。
(今回の衣装の色は、結果的に、金星らしいものとなりました。偶然らしいです。)

対照的なように思えるかもしれませんが、実はそうでもないのです。

どちら星も、自ら光を発することはありません。
太陽の光を受けて、初めて光を発するのです。

その状況に応じて衣装や化粧を変える、というのも、その状況(太陽)を受けて、それを衣装や化粧で表現しているのでしょう。

また、撮影に関して言いますと、フォトグラファー(太陽)によって、彼らの輝き、つまり、魅力となるポイントが変わってくるのです。
そのフォトグラファーがいいとか悪いとかではなく、あくまでフォトグラファーが発する光の照り返し、です。
だから、撮る側は本当に大変だと思いますよ。プレッシャーになりますし。

他にも、ビデオ撮影にしても、何をしても、そういう感じになるのではないかな、と思っています。

そういう観点でこれからの彼らを見ると、また面白さも増すのではないでしょうか?



Photographer Masaya Oharaの感性と、相良姉妹の感性のぶつかり合いによって出来たこれら作品。
この時にしか撮影出来なかった作品。
そして、一期一会の出会い。

お二人のこれからの益々のご活躍をお祈りし、この撮影裏話を終了したいと思います。


P.S.
Photographer Masaya Oharaに関して何かありましたらこちらからどうぞ。

相良姉妹に関しましては、こちらからどうぞ。

P.S.2
日本の月とNZの月は違います。さて、どう違うでしょう?

copyright: Photographer Masaya Ohara & 相良姉妹(sati & emon)