ミュージック写真ビデオ、イメージ写真ビデオ、いかがでしたでしょう?

ミュージック写真ビデオの方は、パラパラ漫画のようで、これはこれで面白いのではないかと思っています。
また、時間の経過とともに、「色」が変わっていきます。
その変化も楽しんで頂けたのであれば幸いです。

さて、そもそも、どうしてこういうビデオが出来たのか?と思っている人もいると思いますので、そのことについて書いてみたいと思っております。

【玉置さんとの出会いの切っ掛け】

ここから書かないと、何も始まりません!

玉置さんとの出会い。

2012年の春の三宮での写心展でのこと。

お客様がいらっしゃらない時、僕は時々外に出て、人の流れを見ています。

とある男性をふと見ると、背中に大きなものを背負っていました。
それは、ギター。
あぁ、ギターをする人なんだ、と思って見ていました。

するとその男性、写心展の看板が気になったようで、足を止めて見ていました。
入ってくれるかな?なんてちょっと期待してその人の様子を見ていました。

が、その方はそのまま素通り。

こういうことはよくあることなので気にしません。(苦笑)

なので、すぐに僕は違う方向を見ていました。
ほんの数秒、写心展会場から目を離していただけですが、視線を会場に戻すと、先ほどのギターを持った男性が、ちょうど会場に入るところでした。

どうやら、通り過ぎた後に、引き返して僕の会場の方に戻っていらっしゃったようです。

その男性の後を追いかけるように、僕も会場の中へ。

その男性が、このページに出ている玉置寛明さんだったのです。

詳細は割愛しますが、色々とお話しさせて頂きました。
等々。

この日はそういう話をし、僕自身、音楽大好き人間なので、是非、彼の曲を聴いてみたい、ということで、別の日に自作した彼のミニアルバムCDを持ってきて頂くことになりました。

これが、玉置さんとの出会いの切っ掛けでした。

別の日にCDを持ってきて頂いて、聴かせて頂きました。

元気のいい、というか、はじけ飛んでしまった曲群。(笑)
一方、しっとりと聴かせる曲群。

今回使わせてもらっている曲群は、そのしっとりとした方なのですが、僕はこちら系の方が気に入り、そういう話をさせて頂きました。

それから、半年に一回の僕の写真展には必ず顔を出して頂いたり、僕がイベントすると来て頂いたり、と少しずつ交流を深めていったのです。


【撮影】

ただ、残念ながら、玉置さんは2012年の秋から、シンガー・ソング・ライターとしての活動は停止されました。
色々と事情があったようです。

他人事だから好き勝手言いますが、出来ればもう少し頑張ってほしかった、なんて勝手に思ったりするのです。

でも、ご本人の決めたことですからそれは仕方ありません。

時間は飛んで、2013年春。
この時、大きく動き始めました。

いつも通りに玉置さんは写心展に来て下さりましたし、僕が企画した写心展会場でのパーティーにも出席して頂きました。
(2012年の秋に開催したパーティーにも来て下さり、2回連続出席は玉置さんだけ!)

その時に、久しぶりにライブに出演されるという話をされ、せっかくなので、と思って、僕はそれを観に行くことにしました。

複数出演者のいる中で、玉置さん、そして、トリの方が一番輝いていました。

やはりライブを観ると、刺激されます。
アルバムの中に入っていなかったバラード曲も披露。
その曲も良かったです。

彼のアルバムでも感じていましたが、元気のいい曲もいいのですが、こういうバラード曲もいい。
僕はそちらをとても評価したい!

活動を停止されているのは本当に勿体ないなぁ、とライブを観ながら思ったのです。

それからしばらくして、メールでのやりとりで、僕が日本にいる間にミュージシャン玉置寛明を「写心」で残す、というのはいかが?なんていう提案をしてみました。

お金を頂くことになりますが、玉置さんは乗り気になってくれ、撮影することになりました。
僕自身、きっといい写心を残せる、という確信がありました。

撮影当日。

撮影日数日前の天気予報では天気が心配されましたが、それが直前に変わり、この日はよすぎるくらいのいい天気!

まずは、玉置さんが練習で使っていた河川敷で撮影開始。
それから、南京町、港方面と、半日を費やして思いっきり撮影させて頂きました。

最初は緊張されていて、表情も硬かったのですが、時間の経過とともに、また、撮影にも慣れたということで、どんどんとミュージシャンの顔を見せてくれました。

最初の頃の彼の表情、途中からの表情、そして、最後の方の彼の表情は全く違っています。
時間とともに、ここまで表情って変わるのか、というのがよくわかると思います。

僕の撮影ではこういうことはよくあります。
時間を費やすことによって、移動しながら雑談、撮影中の雑談でお互いのことを話します。そうすることによって、お互いの心が縮まり、モデルとなる人もドンドンといい形でくだけて撮影に慣れていきます。
そして、よりよい「写心」へとなっていくのです。

また、この日の「光」が本当によかった!
そういう演出もあって、この日の撮影は本当にいい撮影になったと思います。

いずれ作るというアルバムで写真を使ってくれるそうなので、その日を楽しみに...


【ミュージック写真ビデオ制作】

彼を見ていて、彼の写真を撮っていて思ったのが、絵になる、ということ。

もっといい形で活かせないかな、なんて思うようになりました。

最近、ドラマを観ても、映画、メジャーデビューしているミュージシャンのPVを観ていても、デジ一眼レフを使って撮影されていることがあります。
普通のビデオカメラよりセンサーサイズが大きく、ボケるので、ひと味違う表現が出来ます。

そういうのを観ていて、僕の創作魂が少しずつ盛り上がっていきました。

その結果できたのが、「夏と2人」のミュージック写真ビデオです。

普通にビデオで撮影しては、写心職人として面白くない。
写心職人なら写心職人ならではのやり方はないか?ということで、ああいう形の写真ビデオに仕上げました。

今までやったことのないことだったので、手探り状態。

まずは作ってみないと何が問題か、何が出来るかはわかりません。頭の中であれやこれや考えているだけではどうしようもありません。
思ったらやってみるのみ!という精神であれが出来ました。

撮影時間は2時間程度。
歌詞の区切りごとにいくつかのパターンを撮影。

撮影状況は申し分ありませんでした。
よって、撮影そのものはとても満足。

ご覧頂ければわかりますが、最初の頃と最後の方の「光」の違い。
たった2時間でこれだけ「色」が変わるのですから、面白いと思います。
それを是非、皆さんには観て頂きたい!

撮影は満足したのですが、いざビデオを作る段階になって、ものすごーーーーーーーく困ったことになりました。

ビデオは連続して撮影されているので、必要なところをカットし、つなぎ合わせていけばいいです(これはこれで大変な作業ではあるけれど)。
が、今回は写真。

自分で全てのコマを作成しないといけません。
また、ビデオのように30コマ/秒という細かい画像ではなく、約2枚/秒という画像枚数。

これが一番の問題点になったのです。

当初の予定としては、口の動きを歌に合わせてつなぎ合わせていけばいいや、と気楽に考えていたのですが、約2枚/秒という画像枚数ではそんなことも出来ず...

色々と試行錯誤してみましたが、どうやってもうまくいきませんでした。

なんとかして完成させたい、という思いと、やっぱりこの企画は失敗だったか?という思いの狭間で、数日間悶々としました。

それでも諦めず、何度も何度も写真とにらめっこ、また、音に合わせて写真をパラパラ漫画のようにスライドショー表示させたり。

そうやっているうちに、あることに気付きました。

口で合わせられないなら、左手のコードを押さえる指の形と音を合わせればいいのでは?と。

その観点であればなんとか出来そう、ということになりました。

が、写真によってはコードの押さえが明確でなかったりして、きちんとコード進行が僕の方では押さえられませんでした。

手間を掛けさせるかも、と思いながらも、玉置さんにコード進行表を送ってもらうよう依頼しました。
面倒なお願いにも快く応じてくれ、細かくコード進行を書いてくれたお陰で、曲の流れがわかり、どの写真でどのコードが押さえられているか、のおおよその見当が付きました。
(この時ほどギターをやっていてよかった!と思ったことはありません。(笑) 一応、僕も経験者です。)

これを突破口に、なんとか曲に合わせて写真ビデオが出来ました。

玉置さんの口だけを見ると、曲にあっていないように見えますが、コードの方はほぼ合っているので、流れは問題ないと思っています。

とにもかくにも、作ってみて色々とわかりました。
出来上がるまで大変でしたが、やったからわかったことが色々とあり、成果はあったと思います。

先述しましたが、このビデオのポイントは、「光」と「色の変化」です。
たったの2時間ほどでここまで変化するのですから、面白いと思います。

僕は、この時間帯を『撮影の黄金タイム』と呼んでいて、一番好きな時間帯です。

その中で、玉置さんの熱唱ぶりがいい形ではまりこんでいると思います。

写真的な観点で撮ったからこそ出来た写真ビデオだと思っています。

また、これだけではなく、写心撮影として撮った写真も、玉置さんの曲「夕化粧」の1番を使って、イメージビデオとして作ってみました。
特に曲と関連づけて作ったわけではないので、雰囲気として写真と一緒に楽しんで観て頂ければと思います。

今回はバラード系の曲のみ使いましたが、玉置さんらしい玉置さんの「押忍!」というコンセプトの元気な曲群は、こちらで聴いてみて下さいね。


ということで、新たな試みとしてこういうことをやってみました。
やってみたからわかることってありますよね。

観て頂いた皆様にも、何かしらのいい刺激になったのであれば幸いです。

そして、何より、玉置さんにとって、新たな創作意欲につながっていくのであれば、それが一番嬉しいです。

このビデオも、一期一会です。
「あの時」に撮影したから、こういうものが出来ました。
更に言えば、玉置さんとの出会いも、一期一会でした。
よく玉置さんとも話するのですが、あの時、玉置さんがそのまま通り過ぎていたら、このような交友関係は築けませんでしたし、こういうビデオは出来ませんでしたから。
人とのつながりって、本当にどこでどうなるかわからないので面白いと思います。

このようなビデオが出来たことに感謝いたします。
玉置さんも、有り難うございました。


もし、玉置さんや僕宛に何かメッセージがありましたら、こちらのフォームを使ってお寄せ下さい。